スピーカーの自作などをやっていますと、スピーカーメーカーの話題は気になります。
ソリッドアコースティック社が販売していた、12面体スピーカーの一例です。
ひとつの究極のスピーカーは“玉”であるとされています。完全な無指向性を実現する形状でしょう。
ですが現状現実的に物理的な球の振動版を持つスピーカーはないようで、上写真のように球状にいくつものスピーカーユニットを取り付けて同様の効果を得る方法が見受けられます。
こんなスピーカー数種類を販売するこの会社のスピーカー類の売上高は4,000万円とか6,000万円ととても繁盛しているとはいえない状況なのですが、なんと旧ライブドアオート(カーチス)の買収を持ちかけます。
ライブドアオートといえば東証2部上場の大企業、それを買収しようとするにはあまりにも規模が小さすぎますよね。
この会社の創業者の川上巌氏は、ヤマハ中興の祖とされる元ヤマハ社長川上浩氏の長男とされていますが、この川上家のブランドが今回のスキームに一役買っていたかもしれません。
なにはともあれ、カーチスの買収に動き出し、資金面でサポートしたのがリーマン・ブラザーズ証券。
カーチスは中古車売買の実績もあるし、現預金も豊富に持っているということで投資価値があると判断されたのでしょう。
買収資金として150億円をご用意しましょう、ですが買収先の株式と資産はTOB(簡単にいえば買収)成功の折は担保にさせて頂きますよ、という具合です。
TOBで目的の株式比率に達しない場合には、この150億円の融資は実行されなかったはずです。もちろんTOB不成立として何も動きなしです。
ですがTOBは成立、買収が成功します。
名称をカーチスからソリッドグループホールディングスに変更(中古車販売業とは思えない名前だけど)
TOB成立後、ソリッドアコースティック社は親会社になるわけで、グループ会社全体で効率的なキャッシュマネジメントシステムが必要と説き、ソリッドグループホールディングスから現金を預託させます。
簡単に言えば、グループ内であるところは借金してて、あるところはお金が余っている、それならうまく活用することで金利負担も低減できるから、お金の管理を効率よくやりましょう、というような考え方です。
これに預託した金額が120億円と膨大!(虎の子現預金といったところ)
ソリッドアコースティックからすれば、参加のソリッドグループホールディングスの企業価値を高めて返済資金等を確保しようとしたようですが、昨年後半からの株価低迷の煽り、さらにはサブプライム問題による更なる市場悪化を受け、とても計画通りとはいかない状況。
そもそも収益基盤のない親会社に金利負担は続くし、株価は上がらない....
かなり苦しい状況に陥ったとみられます。
また、サブプライム問題が直撃するアメリカのリーマン・ブラザーズとしては、ここは資金回収が優先課題として挙がったことも想像できます。
そこで、リーマン・ブラザーズは120億円の現預金の担保質権を実行。
さらには150億円の融資ですからまだ30億円が未回収になるわけですが、ソリッドグループホールディングスの担保株を大幅安値(市場価格より)でケン・エンタープライズに売却し、150億円の回収は達成できたもようです。
ソリッドアコースティックの状況をみて、ソリッドグループホールディングスが親会社の破産申し立てを行うという異常事態となり、裁判所に受理されました。
結果的に、なんだったんでしょうね、という感じですね。
ライブドアグループからの逸早い独立、それに対しての代償は大きすぎますね...
スピーカーメーカーがひとつなくなったという事実からは想像できない、予想を超える大きなお金が動いておりましたようで....
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Terumasa URL 2008年02月09日(土)10時32分 編集・削除
こんにちは
どう考えても、ソリッド社には最初から勝算がない
買収劇だったように思います。
M&Aは事業構成の再構築や相乗効果を考えたもの、
あるいは経営者の資質が企業の成長の阻害要因に
なってる場合(アホな2代目社長とか)の首の挿げ替え
なんかにはいいのでしょうがね。